マンション管理適正評価制度とは、マンションの管理状態や管理組合運営の状態を6段階で評価し、インターネットを通じて情報を公開する仕組み※です。これまでマンションの管理状態について明確な評価基準がありませんでした。そこで、協会では、不動産関連団体と協力して全国共通の管理に関わる評価基準を策定し、良好な管理が市場で評価される仕組みとして、本制度を創設しました。 ※マンション管理適正評価研究会「報告書とりまとめ」はこちら
各マンションにおいては、健全な組合運営や計画的な修繕の実施など、良好な管理を維持することで居住価値の向上も図られますので、本制度を通じて定期的に管理状態をチェックしていきましょう。
※専門家による評価を受け、総会で決議し、管理組合自らの責任(自己認証)で、情報開示を行うものです。
詳しくはこちら
国土交通省の推計によると、2020年末時点の全国の分譲マンションのストック数は、675.3万戸で、マンション居住人口は1,500万人超とされています。築40年を超えるマンションについては103.3万戸にのぼり、10年後には、約2.2倍の231.9万戸、20年後には、約3.9倍の404.6万戸となる見込みです。居住者の世帯主の半数以上は60歳を超え、2025年には認知症の高齢者が80万人を超えると想定されています。
こうした建物の高経年化と居住者の高齢化という「2つの高齢化」を底流として、「管理組合財政の逼迫化・窮乏化」が進行しています。
区分所有者の高齢化等による組合収入の減少、建物の高経年化による支出の増大により、組合財政は逼迫化しつつありますが、加えて、役員のなり手不足や人材不足は、健全な組合運営や大規模修繕工事の計画的な実施を困難にしています。
単年度収支で3割の組合が赤字という声も仄聞します。赤字からの脱却は大前提ですが、良好な居住環境の確保を図る上で、コストカットには限界があります。管理組合の原資拡大に向けた増収策を実現していかなくてはなりません。
「良質な管理」がマンションの市場価値・流通価値を高め、区分所有者がマンション売却時により多くの資金回収ができることになれば、区分所有者の管理に向けた支出のマインドが上がり、管理組合の原資の拡大につながります。また、自分たちの居住満足度を高めるために努力してきた組合運営も、外から評価されることによって、適正な管理が行われているマンションは、引き続き良好なストック形成が期待できます。
このことは、管理の質が高いレベルで維持継続されることが期待されるほか、長期的な視野でみると、管理組合資金面の体力が増強され、財政の健全化、適切な修繕の実施など良好なストック形成に資する有効なスパイラルを誘導する手段の一つになるのではないかと考えます。
そこで、一般社団法人マンション管理業協会(以下、「当協会」という。)では、不動産関連団体と協力して、全国共通の管理に関わる評価基準を創設し、インターネットを通じて情報開示する仕組みを構築しました。当該基準に照らし、各マンションが適正な管理が促進され、良質な管理が市場で評価されるよう寄与してまいります。
マンションの管理状態を5つのカテゴリーに分類し、ソフト面(現在の管理組合など)とハード面(建物/設備の維持管理)の両面から、30項目について評価します。
良好なマンション管理には、管理組合体制や適切な運営が重要となります。また、円滑な組合運営を可能にするためのルールも必要です。
管理組合の事業計画、重要事項を決する総会の定期開催や、共同生活を円満・円滑にするための管理規約の有無、会計および業務監査機能を強化するための監事の選任、といったポイントをチェックします。
マンションにおけるコミュニティ形成は、日常的なトラブルの防止や防災減災、防犯などの観点から重要です。
消防訓練の実施状況や、昨今の度重なる自然災害に対し、防災マニュアルの作成、防災訓練の実施、居住者名簿の作成や災害時における安否確認体制など、基本的な対策や備え具合をチェックします。
マンションの管理状態の評価は、各項目の点数を足した
合計点により、6段階で表示します。評価の有効期間は1年間。
管理評価が市場価値へ反映されることが期待できます。
評価を 星で評価する 5段階評価+1 |
ポイントランク | 管理状態 |
---|---|---|
90~100点 | 特に優れている | |
70~89点 | 優れている | |
50~69点 | 良好 | |
20~49点 | 一部改善が必要 | |
1~19点 | 管理に問題があるが、情報開示あり | |
0点以下 | 管理不全の疑いあり |
低評価が出ても・・・
今後、評価が上がるよう改善計画を立てる!
協会でも評価を上げるための支援策が
ございますので、ご活用ください。
※なお、総会の前に、自身のマンションの管理状態をチェックすることをおすすめします。(事前評価)
マンション管理適正評価制度への登録には、「評価結果」に加え、「申請者・評価者情報」・「一般情報」・「客観情報」・「維持管理情報」の登録が必要になります。これらの全ての項目が一般に公開されるわけではなく、非公開の項目や申請者の希望によって公開/非公開を選択できる項目もあります。また、一部の項目は、管理計画認定制度への認定申請を行う際に(公財)マンション管理センターのシステムへ連携されます。
当協会のシステムに、管理情報を登録し、データ蓄積・更新・サイト公開等を行うためのシステムへの登録料※1がかかります。
①適正評価制度のみ 申請する場合 |
適正評価制度: 登録料 5,500円(税込)+評価・申請手数料※2 |
---|---|
②適正評価制度 + 管理計画認定申請する場合 |
適正評価制度: 登録料 5,500円(税込)+評価・申請手数料※2 管理計画認定制度: システム利用料 10,000円(税込)※3・4 |
事業年度終了の日の翌日から6ヶ月以内
登録完了(公開)日から1年間※
制度 | 運営 | 審査 項目 |
判定 | 有効 期間 |
---|---|---|---|---|
マンション管理 適正評価制度 |
マンション 管理業協会 |
30項目
|
6段階 評価 |
1年間 |
管理計画 認定制度 |
地方公共団体 | 16項目+α
|
認定 ◯✖ |
5年間 |
「適正評価制度」は、「管理計画認定制度」を大きくカバー・補完するもの。
申請者となる管理組合の管理者等や評価・審査を行う評価者・管理会社等にとって利便性を高めるために、両制度への一括申請を可能とするため、(公財)マンション管理センターによる管理計画認定手続支援サービスとの接続により、申請から認定までのワンストップサービスを実現させました。